課題
設備1台あたり昼夜合わせて8名が配置される労働集約的な構造でした。仕掛品の投入から積載まで全工程を手作業に依存し、生産性が低く人的ミスも発生していました。不良が出ても正確な数値や種類がデータとして残らず、作業者が手入力する方式のため不良数量の把握すら難しく、抜本的な工程改善や再発防止策を立てられませんでした。
収集データ
縦型射出成形機工程の設備・生産・品質データを収集して標準化し、既存のMESと連携しました。作業者が手書きで入力していた不良情報を、システムが自動収集する方式に変更しました。
適用モジュール
C²(データ自動収集)とD²(標準化・データレイク保存)で基盤を整え、その上にA²によるAI分析を載せました。データ前処理モジュール、変数相関分析モジュール、品質予測モジュールを搭載し、縦型射出成形機工程の3Dモニタリングシステムも併せて構築しました。
成果
検査自動化により、設備2台を1名が担当する体制に変わりました。不良データが自動的に蓄積されることで工程改善活動の根拠が生まれ、3Dモニタリングで工程状態を一目で把握できるようになりました。
- 50.2s → 35.11sサイクルタイム
- 4.8 → 10.6 (+121%)分あたり生産量
- 11% → 2%品質不良率
人手が多く必要な工程
この現場の問題はAI以前にありました。設備1台に昼夜で8名が張り付き、仕掛品の投入・取り出し・積載を手作業で行っていたのです。
それ以上に大きかったのは、記録が残らないことでした。不良が出ても作業者が手で書き留める方式のため、実際の不良数量すら正確ではありません。改善しようにも根拠となるデータがありませんでした。
順序を守りました
まずデータが自動的に蓄積される状態をつくり(C²・D²)、既存のMESと接続したうえで、品質予測を載せました(A²)。データ基盤なしにAIから始めていれば、結果を信頼できなかったはずです。
検査自動化システムの導入により人員構成も変わりました。設備1台に複数名という体制から、設備2台を1名が担当する体制になりました。